こんにちは、海外経験無しで英検1級に合格したザトーです。
「英検1級の1次試験に受かったが、2次試験までにどんな対策をすればよいのかわからない」
「英検1級の2次試験でズタボロに落ちて、次回の受験で合格出来る気がしない」
「丸暗記スタイルで臨んだら話せるトピックスが一つもなかった」
「何回も2次試験に落ちて、海外で生活経験が無いと受からない気がしてきた」
こちらの記事は、こんな悩みをお持ちの方のために執筆しました。
大丈夫、しっかり準備をすればアドリブでスピーチが出来ない人でも合格できる試験です。
※当ブログはアフィリエイトプログラムに参加していますが、教材の無償提供などは受けず、公平な目線で記事を書いています。
丸暗記スタイルで二次試験に挑んで1回敗北した私の経験談
私は1度、英検1級の2次試験で落ちました。
そのときの結果がこちらです。
このときは、「ジャンルを絞り込んだうえで原稿丸暗記」の作戦で臨みました。
しかしながら、この作戦には「ヤマが外れるとほぼ100%落ちてしまう」という、重大な欠点があります。
「語れるテーマがなかった」は一番良くある敗因ではないかと思います。
1次試験の免除システムのおかげで2次試験は最大4回受けられるので、「ヤマが当たるまで受け続ける作戦」もなくはないですが、ヤマが外れ続けるとまた1次試験から再受験になってしまうので微妙です。
さて、英検1級の2次試験対策では、合格者の対策スタイルは
- 原稿丸暗記スタイル
- アドリブスタイル
の2種のスタイルに分かれると思います。
原稿丸暗記スタイルは、海外経験がなく、会話の訓練を十分に積んでいない人でも合格できる可能性がありますが、ヤマが外れると私のように惨敗するリスクがあります。
一方で、アドリブスタイルで合格できるようになるには、海外経験があり、会話が極めて流暢でないと厳しいのではないかと個人的に思います。
これは、海外経験ほぼゼロのサラリーマンが1年そこらの勉強で到達するのはちょっと無理な領域なのではないかと思います。
※アドリブスタイルで突破できる自信がある方は、オンライン英会話で模擬面接練習を5回ぐらい受けるぐらいの対策で十分だと思います。そのスタイルで突破されている方の体験記を探されると良いでしょう。
そこで、原稿丸暗記スタイルに改良を加えたところ、2回目のリベンジで2次試験を突破できましたので、その方法論を紹介いたします。
※↓リベンジ時の得点
このときの面接の詳細レポートはこちら⇒【実録】(2021年度)英検1級2次試験【完全再現】
スピーキングが全然ダメな人はどうすればいい?
瞬間英作文系の教材(例えば、瞬間英作文、もしくは英語のハノン)を使って、トレーニングすると良いです。
質疑応答を考えると、「簡単な構文が口からスラスラ出てくる」レベルでないと、さすがにきついです。
実際の試験の雰囲気を知るには
百聞は一見に如かずですので、こちらの参考書に付属のDVDを見ると良いです。
14日でできる! 英検1級 二次試験・面接 完全予想問題
このDVDを観るためだけでも、この参考書を買う価値はあると思います。
英検1級2次試験対策で大切な3本柱
私の戦略は、以下の3本柱から成ります。
- コンテンツブロック(手札)の暗記
- 手札の切り方の準備
- 実践演習
コンテンツブロックとは何か?を説明するために、2分スピーチの基本的な型を説明いたします。
- イントロダクション(自分の意見の表明)20秒
- ボディ1(主張の根拠1つ目) 40秒
- ボディ2(主張の根拠2つ目) 40秒
- コンクルージョン(自分の意見のまとめ) 20秒
になりますが、①イントロダクションと④コンクルージョンは、一般的なテンプレに従えば良いです。後述する参考書の例を丸パクリすれば良いです。
ここで、ボディ1とボディ2については準備しないと厳しい部分なので、この部分に事前に準備してきたコンテンツブロックをパズルのようにはめ込む作戦を取りました。
丸暗記戦略との違いですが、丸暗記戦略ではお題に対する模範解答(ボディ1とボディ2)を覚える形なので、対応できる範囲が非常に少ないです。
それこそ、ヤマが当たらない限り絶対落ちます。
一方で、この方式では、準備してきたコンテンツブロックを自在に組み合わせることで、比較的広い範囲に対応できます。
例えばの例ですが、
・アートを推進するためにもっとコストをかけるべきか
のテーマに対しては、「反対の立場」で「(地球にはもっとお金をかけるべき問題がある)地球温暖化は食料・水不足の原因になる」と「教育とインフラ投資の方が良い投資」のコンテンツブロックを使うとします。
例えば、他のテーマ
- 宇宙開発にコストをかけるべきか?
- 海洋探索にコストをかけるべきか?
このどちらのテーマに対しても「反対」の立場で「(地球にはもっとお金をかけるべき問題がある)地球温暖化は食料・水不足の原因になる」と「教育とインフラ投資の方が良い投資」のコンテンツブロックが使いまわせます。
また、上の3つのテーマに使える「地球温暖化は食料・水不足の原因になる」のコンテンツブロックは
- 再生可能エネルギーに補助金を出すべきか?
- 地球温暖化は人類にとって最大の問題か?
- 世界飢餓は撲滅可能か?
- 国際テロは撲滅可能か?
これらのジャンルが全然違うように見える、どのトピックに対しても使い回せる「ワイルドカード」的なコンテンツブロックとなっております。
言ってみれば、暗記したコンテンツブロックは手札です。
問題に対して、ゼロベースから考えるのではなく、どの手札を切ろうか?と考えることで、英語を普段全然話していない人でも2分間スピーチが出来るようになります。
一方で、コンテンツブロックを使うに当たっては、つなぎの言葉が必要なことがあり、これも練習が必要です。
例えば、国際テロは撲滅可能か?のお題に対して、「地球温暖化は食料・水不足の原因になる」は直接使えませんよね?
論理が飛躍しています。
しかし、「国際テロの根本原因は世界飢餓だと専門家は指摘している。近年悪化している地球温暖化は食料・水不足の原因になる。ゆえに国際テロば撲滅できない。」ならば、一応のロジックは通ります。
これを本番で行うためには、事前に過去問を使って、「どんなテーマに、どのコンテンツブロックを使い、どんなつなぎ文を補えばよいのか」をシミュレーションする必要があります。
また、本番を模擬した面接練習も重要です。
特に、「質疑応答」対策を強化するには経験値を積むしかないと思います。
こちらは、オンライン英会話の「バリューイングリッシュ」を活用されるのが良いと思います。
詳細記事はこちら⇒【英検1級面接特化】バリューイングリッシュによる2次試験対策
使用した参考書(コンテンツブロック(手札)の準備用)
コンテンツブロックは、全部自分で用意すると時間がいくらあっても足りないので、参考書から拾うと良いです。
結論、1番のオススメはこちらです
最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇
私がこの記事で使わせてもらっている「コンテンツブロック」の単語はこの参考書が元ネタです。
この本の2章がコンテンツブロック集(全212ブロック)になっていますので、こちらを暗記しましょう。
こちらを使う上で大切なことは、「全部は覚えなくてよい」ことです。
例えば、「~~の理由で原発をやめるべき」と「~~の理由で原発を残すべき」のコンテンツブロックがありますが、両方の立場のコンテンツブロックを覚える必要はなく、どちらかの立場を選べばよいです。
また、「得意ジャンルを絞るべき」とは思いますが、最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇では「全ジャンル」覚えておくことをオススメします。
私は初回の2次試験で落ちた回では、得意ジャンル「理系・医学・環境・犯罪」に特化したため、テーマの選択肢の中に「政府は国民の生活に干渉しすぎか?」という頻出テーマがあったにも関わらず、スピーチできず、惨敗してしまいました。
得意ジャンルだけでなく「頻出テーマ」を網羅することは非常に大事だと思います。
ここまで覚えても、まだ万全ではなく、過去問をベースにして、コンテンツブロックを追加する必要があります。
私は過去問を4年分(2冊)購入し、出題されたテーマをリストにしました。
4年分で120のテーマになるので、事前シミュレーションとしては十分です。
2次試験では5個のテーマから1テーマ選択する形式ですが、全ての回の試験で「最低2テーマは選択できる」状態に準備するのが理想です。そうすれば、本番で「1テーマも選択できずに惨敗」のリスクを排除できるでしょう。
最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇は良い参考書なのですが、不足分がありますので、コンテンツブロックを追加しましょう。
また、この段階では「ジャンルを絞るべき」だと思います。そうすることで、質疑応答で有利になります。
質疑応答では周辺ジャンルに対する質問がしばしば飛んできます。私の場合だと「動物の権利」のテーマで「ところで話は変わるけど、遺伝子組み換え食品についてどう考えていますか?」の質問が飛んできました。
「ジャンルを極めていると有利」なので、過去問のテーマから、「このテーマには対応出来るようにしたい」と準備するテーマを決める際には「国際」「経済」「医療」「犯罪」「教育」「技術」・・・などのジャンルから、得意ジャンルを決めて、過去問の得意ジャンルのテーマについては「全て」準備することをオススメします。
私は「技術」「環境」「マスコミ」「芸術」「犯罪」「医学」ジャンルを得意ジャンルにしました。
その他に、次の参考書も、この参考書には無いテーマのコンテンツブロックを用意するために、「つまみ食い」で取り組みました。
英検1級ライティング大特訓
こちらの参考書に「のみ」載っていて、最短合格!英検1級 英作文問題完全制覇には載っていないテーマがあります。
↓のリストにその一部を示します
- 資本主義の是非
- 死刑の是非
- 民主主義の是非
- ポリティカルコレクトネスの是非
- 地方分権の是非
- 多文化主義の是非
- エコツーリズムの是非
- 臓器移植の是非
- 義務投票制の是非
- 代替医療の是非
- 定年退職制度の是非
- 同性婚の是非
過去問に、これらのテーマが良く出ることがわかると思いますので、自分の得意ジャンルだけでも、こちらの参考書で補うのをオススメします。
植田先生の本は「表現が高度で真似しにくい」ので、自分で平易な文章に書きなおすと良いと思います。
世界の経済・政治・社会問題の知識と英語を身につける
こちらの参考書は、前から読むものではないです。
言ってみれば、「論点の辞書」です。
分厚い本にぎっしりと「英検に出そうなテーマと論点」が書かれています。
例えば、「肉食の是非」のようなマニアックなテーマであっても論点が複数書かれています。
過去問で困ったら参照する辞書的な使い方で手元に置いておくと良いです。
それと、参考書には無いオリジナルコンテンツブロック作成も必要になるかと思います。
上に挙げた参考書では、今後出題が増えるであろう「海洋汚染・AI・SNS・ネットいじめ・NFTアート・仮想通貨・工業農業」あたりのトピックスが弱いので、これらについてはwikipedia(英語版)などを参考に自分でコンテンツブロックを作りました。
※時間がかかってしまうので、オリジナルコンテンツブロックの作成は最小限にとどめ、基本は参考書の丸コピをすべきです。
私が作成したコンテンツブロックも良かったら活用してください⇒英検1級の英作文と2次試験向け、私が作ったオリジナルネタ(コンテンツブロック)のまとめ
こちらの記事が皆さんの英検1級合格の一助になれば幸いです
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