こんにちは、英検1級&TOEIC900点ホルダーのザトーです。
私が(十数年前の)大学受験時代にやりこみ尽くした『DUO3.0』(以降、DUO)は、超高効率で英語力を底上げしてくれた参考書です。
私の英語力の原点の一冊と言っても過言ではなく、大学受験生に何か一冊参考書をオススメするとすれば、間違いなくこの一冊です。
「良いと評判のDUOを買ったけど、どうやって使えばよいかわからない」
「例文暗唱をしているけど、正直、終わりが見えなくて挫折しそう」
このような悩みをお持ちの方のためにこちらの記事を書いています。
※逆に、挫折することなく順調に進められている方には何も言うことはありません。
今でも鉄板の大学受験向け単語帳として知られるDUOですが、「挫折する人」が周囲にかなりいましたし、実際に私も挫折しかけたことがありました。
私の失敗経験談も含めて、挫折せずにDUOを続ける方法をお伝えしたいと思います。
※23/6追記:DUOがabceedに対応したことで圧倒的にabceed版がオススメになったので、一部記事を訂正しています。当ブログのこちらの記事もご覧ください↓
abceed版での使い方に特化した記事を書きました。(2024年1月)
アプリでやり込みたい方はこちらの記事も参考にして下さい↓
DUOの最大の特長とは「圧倒的時短」
使い方の前に、(ご存じの方も多いと思いますが)DUOの特長を説明します。
重要単語1600+熟語1000が560本の例文に詰めこまれています。
単語を覚えるときは例文ごと覚えた方がいいと良く聞きますが、重要単語1600と熟語1000をそれぞれ1つの例文で覚えようとすると、例文の数が2600本とかなり覚えるハードルが高くなります
一方で、DUOでは1本の例文に複数の単語や熟語が560本の例文に濃縮されているため、単純に約5倍の効率です。
例えば、他の教科も学ぶ必要のある大学受験生や、忙しい中英語の勉強を学ぶ社会人など、時短で英単語・英熟語を身に着けたい方にとっては最適の一冊でしょう。
また、別売のCD(もしくはアプリ「abceed」上で書籍を購入もしくはサブスク加入で聴くことのできる)復習用の音源を使うと、560本の例文を1時間で1周することができ、高速で周回することができます。
単語暗記は「触れた数が勝負」みたいなところがあるので、高速で周回できるDUOは圧倒的な効率だと思います。
DUOで伸びる力
単語力・熟語力
単語帳でこの力が伸びるのは当たり前なので割愛します。
もちろん、受ける大学のレベルにもよるのでこれだけで十分とは一概には言えませんが、DUOをこなせば大学受験における「基本単語」は一通り網羅できます。
構文の知識
DUOで熟語として掲載されている中には、大学受験の参考書において「構文」とされているものも含まれています。
例えば、見出しの熟語にある【no sooner A than B :Aした途端にBが起こる】は構文として紹介されていることも多いですね。
もちろん、DUOだけで構文が必要十分とは言わないですが、DUOを一通り終らせることで、「構文集の何割かを既に知っている状態」になりますので、取り掛かるときの心理的なハードルがかなり下がります。
※また、これは個人の感想ですが、DUOに掲載されている構文は、大学受験において特に重要なものが多いと感じています。
リスニング力
後述しますが、DUOの最終ゴールは「復習用音源を聞き取り、英語のまま意味が取れる状態」だと考えています。
ここに到達する過程で「聞くことによる」学習を多くこなすために、単語と音を一致させることができるので、自ずとリスニング力が磨かれます。
また、リスニングができない原因として、「そもそも音源と同じ速度で読む力が無い」ということが多々ありますが、「復習用音源と同じ速度で内容が理解できる」ようになれば読む速度も自ずと上がりますので、この点でもリスニング対策になります。
ライティング力・スピーキング力
DUOをやり込むことで、例文ごと表現が頭に入りますので、ライティングやスピーキングでも、DUOで例文ごと覚えた表現が使えます。
重要なのが、例文ごと覚えることで「自動詞/他動詞」「可算/不可算」「to do/doing」あたりで間違えて減点されるリスクを減らせることですね。
DUOで到達可能なレベル
- 英検2級
- TOEIC600
結論、このあたりを目指せる到達度だと考えれば良いかと思います。
「ちょっと待って!本に書いてあることと違うじゃん!」
と思われる方もいらっしゃることでしょう。
確かに、本に記載の「DUO3.0の掲載語で対応できる範囲」には以下の記述があります
- 英検準1級
- TOEIC600~780点
しかし、これは見出し語(560の例文に出現する単語)だけでなく、派生語・関連語を含めたときの到達レベルです。
理由は後述しますが、「派生語と関連語」は別にDUOで覚える必要は無いので、まずは見出し語を覚えきることで、このレベルに到達すれば良いでしょう。
挫折しにくいオススメの使い方
挫折しやすいパターンを知る
個人的な経験談から、「この進め方だと途中で挫折する可能性が高い」と思う勉強法をまず書きます。
※もちろん、この進め方で確実に前進できている方にとっては「適した」進め方だと思いますので勉強法自体を否定しているわけではないです、念のため。
最初から暗唱を目指す
私はこれで挫折したことがあります。
確かに、暗唱は英語学習で有効ですし、先述したように、ライティングやスピーキングの対策にもなります。
しかしながら、DUOに着手する英語力の段階で、最初から完全に暗唱を目指すのはかなり大変です。
一本の例文を一度覚えるのに5分かかるとして、一周に2800分、おおよそ45時間かかります。
仮に、一ヶ月かけて一周したとして、二周目に入る頃には一周目に覚えた大部分を忘れていますので、心を折れずに周回するには、かなりの精神力が必要でしょう。
最初から単語カードを作る
これも、私が実際にやって挫折した勉強法です。
確かに、DUOでは例文単位で覚えるため、単語単位で覚えられているかどうか不安になりますので、単語カードを自作したくなる気持ちはわからなくもないです。
しかし、最初から単語カードを作ると、DUOの良さを活かせていません。
※DUOの良さは、例文に圧縮されているため高速で周回できる点にあると思っています
単語単位で覚えられたか確認したい場合には、DUOをこなした後に単語単位で覚える他の単語帳を使えば良いでしょう。
最初から関連語まで覚えようとする
「関連語」を覚えたくなる気持ちは良くわかります。
しかしながら、それは「見出し語」を覚えてからにすべきです。
※さらに、個人的には「関連語に目を通す」のは全然良いのですが、無理にDUOで覚えようとせずに、別の参考書に移った方が良いかと思います。
なぜなら、DUOを使う上での最大のメリットの「復習用CD」を使うことでの高速周回ができないからです。
DUOで一番効率がよい、一番美味しい「見出し語」を後述の使い方で覚えましょう。
厳しすぎるノルマを課す
- 10回ずつ書き取る
- 100回ずつ音読する
こうした、(かなり厳しい)自分ルールを作られる方も多いかと思います。
しかしながら、挫折につながりやすいので、あまりに厳しいノルマを自分に課すのはオススメしません。
当ブログの記事、勉強の基本「作業」と「勉強」の違いも読んで頂きたいのですが、「自分がやっていることは、新たな知識の習得につながっているか?」を意識することが、勉強方法で一番大切なことだと私は考えます。
「作業」を増やすことで「学んだ気になってしまう」ことを、私自身、自分が勉強が下手だった頃によくやってしまいがちでしたので、この点を意識されていない方は意識すると良いかと思います。
DUOの到達点は「復習CDを聞いて、そのスピードで意味が理解できるようになること」をいったんの目標にすれば良いかと思います。
挫折しやすい勉強法の共通点とは
私の経験談で、「最初から完璧主義」は挫折しやすいです。
頭から完璧主義で覚えていくと、1周に極めて時間がかかるので「1周やりきった達成感」や「DUOをやりきったことで英語力が上がった実感」が得られにくく、1周終わらせるのに「鋼の精神力」を必要とします。
さらには、鋼の精神力で1周目を終えたとしても、2周目を始めるころには、1周目に覚えた内容をほとんど忘れてしまっており、心が折れやすいです。
※これは私も過去に何度も経験しております。「漫画家を目指す人がいきなり設定を練りに練った大長編の漫画を描こうとするのと同様に」いきなりハードルが高すぎるゴールを設定しても高確率で挫折します。
それではどうすれば挫折しにくく進めることができるか?説明していきたいと思います。
DUOのオススメの勉強法
まずは全体を5分割すべし
先ほど、頭から完璧主義で覚えていくと、1周に極めて時間がかかり挫折しやすいことを説明しました。
それではどうすればいいのか?答えはシンプル、分割してしまいましょう。
さらに具体的には、次のように分割されると良いです。
Section 1~8
Section 9~18
Section 19~27
Section28~36
Section 37~45
さて、DUOに詳しい方は、この分割方法の意味に気づかれるかもしれません。
そう、この分割方法は「基礎用CD」の分割方法と全く同じです。
そのため、今回紹介する学習法は基礎用CDとの親和性が極めて高いです。
「基礎用CDは不要」との意見もネット上で散見されますが、私は初心者には非常に有用だと思っています。
その理由は後述します。
※abceedアプリ上では、アプリ上で購入もしくはサブスク加入で、復習用も基礎用も、どちらの音源もDLすることができることを補足します。
最初は「全ての例文を聞いてイメージが浮かぶレベル」を目指す
先ほど書きましたように、最初から「例文暗唱、10回書き取り、単語帳を作る」などの、負荷の高すぎるメニューを設定すると時間がかかりすぎて挫折しがちですし、「DUOの優秀な音声教材」が使えるメリットを活かすことができません。
ではどうすればいいか?答えは簡単、まずは到達目標を下げましょう。
オススメは、「全ての例文を聞いて情景のイメージが浮かぶレベル」を一旦の目標にしましょう。
こう書くと、次のように思われる方もいるかと思います、
「スペルまで覚えないと英作文で使えないんじゃないか?」
「入試で英作文があるから例文暗唱したい」
「単語ごとで確実に覚えないと不安」
「派生語含めて覚えないと英検準一級レベルに対応できないのでは?」
これらの指摘はどれも正しいです。
ただ、DUOを手に取る層(英検2級を目指す層、あるいは大学受験生)では、「全ての例文を聞いてイメージが浮かぶレベル」になるだけで、かなり世界が変わります。
これより高みを目指すのは、それからでも遅くは無いかなと思います。
最初から完璧主義でやりたくなる気持ちは痛いほどわかるのですが、まずは全体を薄くざっくりと習得することをオススメします。
DUOを習得するためのプラン
かなり抽象的に書いてきたので、具体的な学習方法を説明したいと思います。
5分割した各ブロックの学習方法
先ほど、DUO全体を5個のブロックに分割することを説明しました。
各ブロックの学習方法を説明していきます。
各ブロックの大まかな流れは、
- Section単位で「復習音源の音声を聞いたら意味がイメージできるようになる」まで学習する
- ブロックのSectionが全て終わったら、ブロック全体を最低でも10回復習し、記憶が抜けている例文を見つけたら①のステップに戻る
- ブロック全体を「復習音源の音声を聞いたら意味がイメージできるようになる」ようになれば、次のブロックに進む。
例文を身につけるコツ
まずは日本語訳を読み、英文がなぜその訳のイメージになるのか理解する
負荷を下げるためのコツですが、例文を最初に学ぶときは、まずは答え(日本語訳)を読んでしまいましょう。
まず、例文の意味のイメージを固めてしまい、その上で英文を読み始めたほうが、サクサクと進むので挫折が少ないかと思います。
文構造を理解する
DUOを学ぶ段階では、「どれが主語なのか?」「どの節がどの節を修飾しているのか?」など、理解できていないことも多いと思います。
文構造を読み解く力を伸ばさないと、「単語の意味をつなげて、それっぽい意味を想像する」ことに陥りがちになってしまうため、DUOを学ぶ際には文構造もしっかり押さえましょう。
具体的には、
・「SとV」はどれ?
・どの単語/節が、どれを修飾している?
・どの文型?
・等位接続詞(but/and/orなど)で結ばれているものは?
このあたりの文構造が即座に取れない方は、例文に()などの補助記号を書きこむのも有効だと良いと思います。
また、「DUO 例文解説」などのキーワードで検索すると、各例文の構文を解説している個人サイトが出てくるので、参考にされても良いかと。
音声を使って隙間時間に周回する
この段階では「基礎用音源」が役に立ちます。
基礎用音源は以下のようなメリットがあり、この段階の学習効率を上げてくれるので、個人的には非常にオススメします。
・英語音声が復習用と比べてゆっくり→初心者でも聞き取りやすい
・日本語音声も入っている→音声だけで完結できるので、手元に本が無くても勉強できる
・英語音声がエモい(海外ドラマのよう感情がこもっています、復習用よりも圧倒的に耳に残りやすい)→例文のイメージが頭に残りやすい
基礎用音源は「通勤/通学時間」、「入眠前にずっと聞き流す」、「風呂の中でずっと聞き流す」など、とにかく聞く時間を作り、1ブロックを1日に最低でも1周できるようにすると記憶に定着しやすいです。
各ブロックが終わった後の復習方法
各ブロックごとの学習が終われば復習用音源を使って全体をひたすら回す段階に入ります。
「新規に覚える」というよりは「メンテナンス」の段階に入ります。
隙間時間を捻出して、「音が耳にこびりつくぐらい」聞き込みましょう。
「とにかく回数を聞きこむ」のが一番大事だと思いますが、以下の点に気を付けるとさらに有効だと思います。
・聞いたときにイメージが浮かばない例文は書籍で確認する
・(例文単位ではイメージできる意味がイメージできることを前提に)単語単位で意味が取れない単語の意味を確認する
この段階で、あると便利になるのが『DUO3.0/ザ・カード』です。
※注記:abceed版やmikanでは、アプリ上でほぼ同じことが出来ますし、こちらの方が安くて高性能です。紙派の方のために商品リンクは残しておきます。
こちらはかなりマイナーなので説明すると、表面に「例文」裏面に「見出し語と和訳」が書いてあるフラッシュカードです。
復習用音源で全体をぐるぐる回すことが有効なのは間違いないですが、「苦手な例文を個別でケアする」にはあまり向いていません。
こちらのフラッシュカードは「最初からこのフラッシュカードで覚えようとする」と挫折しやすいのでオススメしませんが、「記憶のメンテナンス用」としては非常に有用だと思います。
復習用音源を最低でも30回以上は回したうえで、例文を見たときにイメージができないカードのみを集めて、例文単位での英→和を繰り返すことで「苦手な例文」を重点的につぶし込むことができます。
単語単位で覚えるにはabceedで単語ごとに覚えるのがオススメ
上の方にも書きましたが、「単語単位で覚えられているか不安」という方も当然いらっしゃるかなと思います。
そんな方は単語単位で覚えるために、abceed版を使い、単語毎で覚える機能を使うのをオススメします。
※良かったら当ブログのこちらの記事もどうぞ→【最強効率】abceedを使った英単語の覚え方【画像付き設定手順有り】
「DUOの単語単位で知らない単語だけを抜き出してお手製の単語帳やAnkiを使って覚える」のは作業量が多いので、「作業をなるべく減らすべき」の考え方の私はオススメしません。
※参考に、英単語暗記アプリの『mikan』にも単語単位で覚えるための機能がありますが、月額600円のLiteプランに入らなければなりません。
一方でabceedでは1200円買い切りです。
3カ月以上使う人にはabceedの方がお得だと思います。
※ただし、mikanのサブスクでは大学受験向けの各種参考書も使いたい放題にできるので、大学受験生はmikanのラインナップを見ることをオススメします。
DUO3.0の次の英単語帳(大学受験編)
確認用の単語帳は、大学受験のために勉強した方なら、目指す学校で必要なレベルに応じて参考書を選ばれると良いと思います。
私は昨今の大学受験にあまり詳しくない立場なので、「この大学のレベルには、この参考書がいい」というような具体的なアドバイスはできませんが、個人的には「abceed」アプリが単語を覚えるのに絶対的にオススメなので、このアプリで学習できる単語帳をオススメします。
abceedで学習できる大学受験向け鉄板参考書は、例えば以下のものがあります。
DUO3.0の次の英単語帳(TOEIC編)
DUO3.0をコンプリートした方がTOEIC向けの単語帳をDUOスタイルでやりたい場合は、圧倒的に「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のセンテンス」がオススメです。
TOEIC向けの英単語帳で一番定評のある「金フレ」をDUO3.0スタイルにした参考書だと思ってもらえば良いかと。
参考書の使い方も、この記事で紹介した使い方が適用できますし、abceedにも対応しています。
こちらの記事がDUOを使って学習される方の参考になれば幸いです。