こんにちは、TOEIC965点、英検1級ホルダーのザトーです。
今回はTOEICを受ける人の中で、知らない人の方が少ないぐらいの「超有名な鉄板本」の「出る単特急 金のフレーズ」(以降、金フレ)のアプリ「abceedを」使った学習法を解説していきたいと思います。
金フレほどTOEICにコミットした優れた単語集はなかなか無く、私自身2012年に旧版を購入して以来、愛用してきた思い入れのある一冊です。
金フレは2012年に改訂前版が発売されて以降、2017年にTOEICの形式変更に合わせて改訂されるなど、「多くの進化」を続けています。
そうした進化の中でも、学習者にとって最も恩恵が高いものが、「abceed対応」でしょう。
※abceedはiPhoneにもAndroidにも対応しているので、全てのスマホに対応しているアプリです。金フレを学べるアプリは他にも2つほどありますが、1つは「iOSしか対応していないアプリ」、もう1つは「サブスクが必須のアプリ」なので、多くの人にとっては「abceed」が第一選択肢だと個人的には考えています。
個人的には、少し知名度の劣る「金のセンテンス」(金セン)もオススメなので、過去に記事を書いています。
金フレの見出し語は金センに網羅されていますので、「DUO3.0」と同じスタイルで学びたい方には金センがオススメです↓
金フレの長所をおさらいしてみる
さて、この単語帳の長所を改めて挙げていきます。
とにかく単語がTOEIC試験に良く出る
この単語帳の最大のメリットがこちら、試験における超頻出単語のみが収録されています。
私の実感としては、これ1冊を完璧にすれば、800点台までは楽勝で突破できる語彙力が身につきます。
フレーズ(コロケーション)がそのまま試験に出ることも多い
単語は他の単語との組み合わせ(コロケーション)が大切で、Part5でも単語のコロケーションが回答根拠になることがあります。
「金のフレーズ」では、良く出る単語が頻出のコロケーションの形で収録されていますので、Part5の空欄補充問題も「このコロケーションは金フレで見た!」で瞬殺できることが多々あります。
また、コロケーションで覚えると、「単語単位で思い出すよりも圧倒的に早く英文を理解できる」というメリットがあります。
例えば、「representative」には「代表者、代表的な」のような意味がありますが、TOEICで良く出る形は「a sales representative:営業担当者」ですね。
このようなコロケーションは「かたまりで覚える」ことで瞬時に意味がイメージできるようになった方がよいのですが、このように「TOEICで使われる」コロケーションの形で収録されているので、単語だけで覚えるよりも遥かに試験に役立つのが金フレのメリットですね。
金フレをやりこむことで「頻出フレーズがかたまりで認識できるようになる」と、「リスニングでも自信を持って聞きとれる」、「長文読解の読む速度が上がる」といった様々なメリットがございます。
最強のパート1対策の参考書の1つ
この単語帳はPart1(写真問題)対策にうってつけです。
問題作成者の気持ちになると、Part1で難しい問題を作るのは、結構大変だと思いませんか?
絵の説明なので、文法もシンプルにならざるを得ませんし、目で見てわかる語彙しか出題できないので、語彙の幅も限られますね。
そこで、問題作成者は「難易度の高めの名詞」や「聞きなれない表現」を使って、問題の難易度を上げようとしてきます。
そのような問題は、TOEIC900点を取るような層でも普通に失点します。
それらの「難易度の高めの名詞」や「聞きなれない表現」を使った、Part1で出てきそうな短文が100文掲載されていますので、Part1の難問をカモにすることができます。
金フレの欠点:英→和の学習がやりにくい
次に、金フレの欠点(と個人的に考えるところ)を紹介します。
それは、「英語のフレーズから日本語の意味を思い出すスタイルの学習がやりにくい」ことです。
例えば、一般的な英単語帳では「dog」を見て「犬」を思い出すスタイルのものが多いかと思います。
TOEICのL&Rでは英語から意味が分かればいいので、英→和で学習したい方が多いでしょう。
しかしながら、書籍版には赤シートがついてきますが、「英→和」で学習するには向いていません。
※例えるなら
(小さい)犬
a (small) dog
で括弧内が赤字で印刷され赤シートで隠せるようになっている具合です。
そうではなく
(小さい犬)
a small dog
のように、「フレーズの訳」を隠せるようにしたい場合は、自作英単語帳なりAnkiなりで自作する必要がありました。
※私が金フレ(旧版)を買った2012年にはアプリ等が無かったのでエクセルに打ち込んで自作しました。
しかしながら、abceedに対応したおかげで、そのような作業は一切不要になりました。
下準備:アプリ「abceed」で金フレを個別購入する方法
まず、大きなトラップがあるので注意喚起をしましょう。
2023年12月現在、abceedアプリ上では金フレを個別購入するボタンが存在しません。
(※隠されているボタンを見つけたという方がもしいらっしゃいましたら、お問い合わせフォーム、もしくはXのDMからご連絡下さい。)
「じゃあどうやって買えばいいねん!結局サブスク登録せなあかんのかい!」
安心してください、abceedストアから購入できます。
まずはabceedストアにアクセス。
金のフレーズをクリックすると、
ログインした上で、この「購入する」ボタンをクリックすることで購入できます。
proプランへのサブスクも、セール期間では\9,900/年で購入できることもあるので「有り」だとは思いますが、個人的には「金フレ」で学ぶ層は「1冊1冊を確実に終わらせる」方がスコアが伸びやすいと思いますので個別購入をオススメします。
↓過去記事もご参考にどうぞ
下準備補足:アプリabceedで金フレを割引価格で個別購入する方法
また、abceedには「紙割」というものが存在し、金フレの書籍版を持っていると割引価格で個別購入することができます。
紙版を既にお持ちの方は、紙割を使って購入することをオススメ致します。
公式サイトに手順が記載されていますのでリンクをこちらに貼ります。
・書籍の表紙画像
・アカウントに登録されているメールアドレス
をabceedサポート窓口にメールで送ることで、割引クーポンを受け取ることができます。
※以前は、わかりやすい場所にあった「紙割」ですが、今では存在を知らないと気づきようがないので注意が必要です。例えるなら、FF5の「ものまねし」と同じぐらい「知らないとスルーしてしまう要素」になっています。
アプリ「abceed」での学習法①:デジタル単語帳機能を使いこなす
「abceed」での学習手順を解説します。
まず、金フレを使う上で非常に役に立つデジタル単語帳機能の使い方を解説致します。
まず、「金フレ」のトップ画面より、「学習トップ」をタップします。
すると、こちらの画面が出てきます。
学習に入る前に、設定を変更することをオススメします。
この画面右上の歯車マークをタップすると、学習設定が変更できます。
まず、「1回の学習問題数」ですが、これは「何個の英単語を1セットとして学習するか」を設定できる機能です。
この数値は、多い方が記憶の定着に良いことが統計的に示されています。(※中田 達也「英単語学習の科学」より)
しかしながら、この数値を多すぎる数字にすると、1セットを終えるのに時間がかかるようになってしまい、「隙間時間に学習しにくくなる」というデメリットがあります。
私が長年abceedでボキャビルをしてきた感想としては、「20問」がちょうどよくオススメです。
※もちろん、個人差はあると思います。
「未学習/復習/一覧画面からの学習方法」は全て「仕分け+クイズ」にするのがオススメです。
「仕分け」というのは「例文」モードのように「わかる/わからない」で「紙の英単語帳のように覚える機能」なので個人的にはマスト。
「クイズ」は4択のクイズ形式ですが、消去法で当てることができる場合も多く、個人的にはそこまで使っていない(以前、クイズ機能をメインでabceedでのボキャビルを2カ月ほど使ったが、記憶の定着が悪くてやめた)ので、「仕分け」をメインに使うのが好みです。
※「統計的には4択クイズ方式と紙の英単語帳のように覚える場合で学習効果は変わらない」という調査結果もあるようなので、本当に個人の好みです(出典:中田 達也「英単語学習の科学」)
さて、設定が終わりましたら「未学習」をタップして学習を始めましょう。
こちらのように、英文が表示されます。
(承諾を得ずに本の中身を隠さずアップしているブロガーや動画配信者も散見されますが、私は本の出版に関わる全ての方に敬意を持っていますので、本の中身は隠させていただきます。)
英文を読んで、意味が思い浮かべられるのであれば「わかる」、そうでなければ「わからない」を選択します。
この画面で「わかる」を長押し、もしくは「解説」をタップすると次の画面のように、「例文の日本語訳」と「単語解説」が出現します。
この解説を見た上で、間違っていた場合は「わからない」を選択しましょう。
また、金フレの単語解説は非常に良質で、「TOEICではこう出る」などの豆知識など、記憶の補助に最高です。
単語解説は必ず目を通しましょう。
さて、20単語全てを仕分けし終えると次のような画面になります。
今回は4単語を「わからない」に仕分けたため、16/20になっています。
「もう一度」をタップして、再び20単語全てに仕分けを行い、20/20がわかるようになるまで繰り返しましょう。
個人的な意見ですが、ここで20/20をマスターするまで繰り返すことがabceedで単語学習をする上で一番重要だと思います。
単語学習で「何度も目を通す」ことで覚える方法論を提唱している方もそれなりにいますが、英単語を覚える上で一番大切なことは「短期的な記憶でもいいからとにかく一度覚えること」だと思います。
※個人的には、短期的な記憶に入れることすらできていない状態で何度読み返してもほとんど頭に入らないので、「何度も目を通す式」には反対ですね。
短期的に覚えた英単語は翌日には半分ぐらい忘れているかもしれませんが、それでも翌日復習をすると「覚えたはずなのに悔しい」と感じるようになり、その悔しさで記憶に残ります。
話を戻しましょう。
この進め方で「600点レベル 助走の400語」が全て終わりますと、次の画面のようになります。
400単語のうち、60問が「わからない」を一度でも選んだ単語なので、「復習60問」と表示されています。
復習をするときには「元々知っていた単語」を除いた「復習60問」を反復することで、学習効率を飛躍的に上げることができます。
※知っている英単語を何度復習しても、時間効率は悪いですよね。極端な話、【apple : りんご】のような既に知っている英単語を1万回単語帳で学習したところで無意味ですよね。
「600点レベル 助走の400語」をほぼ完ぺきに覚えることができれば、次のセットに進みましょう。
さて、ある程度学習が進むと、「一度間違えた英単語」も何度も復習したので「もう学習する必要がない」となるでしょう。
そんなときは、金フレのトップから、「データ削除」⇒「習得データを削除」を押すと、全ての単語について最初からやり直しになります。
こうすると「1回間違えた英単語」の情報もリセットされるので、再び英単語を仕分けし直すと、「本当に覚えられていない」英単語に絞り込むことができるようになります。
アプリ「abceed」での学習法②:音源を何回も聞いて音から意味を思い浮かべられるようにする
さて、金フレには公式サイトから無料DLできる音声データがありますが、abceedでも聴くことが可能です。
金フレのトップ画面から、「音声」をタップすると、
この4種類の音声を聴くことが可能です。
始めのうちは一番上(日本語訳の音声あり)の音声データを聴くと良いでしょう。
音声のみで学習が完結するため、通勤時間や家事をしながらなど、「耳だけは空いている時間」をフル活用することができます。
「英語のみ」の音声データは、日本語が無い分、所要時間が短くなっているので、「ほとんど覚えた人が回数を積みたい場合」にお勧めします。
下2つの「音声その2」は英米ナレーター逆Ver.です。
例えば、一番上の音声データでアメリカ式の発音で収録されている英単語がイギリス式の発音で収録され、逆もまたしかり、という具合です。
音声その2は気分が回れば取り組む程度で良いでしょう。
※個人的には、音声データ1つにアメリカ式発音とイギリス式発音を混在させるのではなく、「アメリカ式発音」と「イギリス式発音」で分けて欲しかったなと思います。
音声を聴く際には、「ただ聞き流すだけ」では個人的には何の意味もないと思います。
(喫茶店での周り席の話し声と同様に、積極的に聴いていないものはほぼ記憶に残らないでしょう。)
例えば、聞こえてきた英文のシャドーイング、英文を頭の中でイメージ化(超初心者のうちは日本語変換も可)のような訓練をして、「音から単語の意味を思い浮かべられる」ようにするとTOEICのリスニングパートが非常に楽になるでしょう。
「音から単語の意味を思い浮かべられる」というのは難しいように思えるかもしれませんが、「apple」と聞けば大体の日本人は「りんご」を思い浮かべることができるように、「何度も繰り返して訓練し続ければ十分可能」な目標でしょう。
最後に
ここに書かせてもらった学習方法は私の方法論であり、「全ての人」に当てはまるとは思っておりませんが、こちらの記事がTOEIC学習を頑張る皆さんの参考になれば幸いです。
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