ニュース英語を読んでいると「stone」に関する英単語に良く出会います。
どの単語も直接的に石を示すことは少なく、比喩的に使われることがほとんどで、とても味わい深い表現です。
こちらの記事ではそんな「stone」に関する英単語を解説したいと思います。
milestone:一里塚/節目/画期的な出来事
まずは「milestone」を解説します。
カタカナ語の「マイルストーン」がビジネスの現場で頻繁に使われているので、ご存知の方も多いことでしょう。
mile(マイル)+stone(石)から予想できるように、元々は街道にマイル(1000歩)ごとに設置された距離標式のことでした。
これは日本で言うところの「一里塚」にかなり近いことがわかると思います
この意味から転じて、「節目/画期的な出来事」のことを指し、この用法で使われることの方が圧倒的に多いです。
少し横道にそれますが、mile(マイル)はラテン語の mille(1000)に由来します。
※ラテン語のmilleは「millimeter:ミリメートル」、「millennium:ミレニアム」など、1000が関係する多くの単語中に入っていることがわかると思います。
1000複歩(複歩:2歩のこと、歩くときに右足を動かした数)がマイルの由来とされています。
touchstone:試金石
次に「touchstone」を解説します。
touchstoneとは試金石のことを指します。
試金石とは、金の品質を計るために、金をこすりつけるために用いられる石のことですが、比喩的に「人の能力や物事の価値を見極めるための指標となる事柄」の意味で用いられることの方が圧倒的に多いと思います。
これは英語でも同様で、試金石のことを示す「touchstone」は「基準」の意味で使われ、そのまんま「試金石」と訳せることも多々あります。
capstone:冠石、頂点、最高点、絶頂、最高の業績
次に「capstone :冠石」を解説します。
日本語でも冠石と言われてもピンと来ない方の方が多いでしょうから図解します。
このように、石を積んで造られた塀などの上部に載せる石のことです。
この「capstone」ですが、「頂点、最高点、絶頂、最高の業績」のような意味で用いられることがあります。
最も高い所の石なので、比喩的にこの意味を持つのは理解できるかと思います。
keystone:要石、要、中枢
次に「keystone :要石」を解説します。
この図で示すように、アーチ状に石を積むときに、アーチの中央部に位置する石のことを要石と言います。
この石を抜いてしまったら、アーチが倒壊してしまうことから、文字通り「要」であることがわかると思います。
比喩的に「要、中枢」のような意味になることは容易に理解できるかと思います。
cornerstone:隅石、土台、基礎
次に「cornerstone:隅石」を解説します。
こちらの英単語は『究極の英単語 SVL Vol.4』にも収録されているのでご存じの方も多いかと思います。
そして、こちらの英単語はニュース英語でかなり頻繁に見かける英単語です。
「隅石」と言われてもわからない方の方が多いでしょうから(私も知りませんでした)、また図解で説明します。
このように、石を積んだ構造物の一番下の基礎となる部分の石のことを指します。
この隅石の上に他の石が重なるので「土台」となる、構造の「基礎」であることがわかり、「土台、基礎」の意味であることが容易に理解できるかと思います。
Rosetta stone:ロゼッタ石、問題解決につながる重大な鍵
最後に「Rosetta stone:ロゼッタ石」を解説します。
世界史の授業で習った記憶がある方も多いと思いますが、同一の文章が古代エジプト語の神聖文字(ヒエログリフ)と民衆文字(デモティック)、ギリシア文字の、3種類の文字が刻まれた石碑で、ヒエログリフの解読の助けになったことで知られています。
ここから転じて、「問題解決につながる重大な鍵」のように比喩的に用いられることがあります。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
どの「stone」に関する英単語も、石そのものの意味として使われることは少なく、比喩的に用いられることが多く面白い表現だと思います。
こちらの記事が皆様の参考になれば幸いです。