こんにちは、英検1級ホルダーのザトーです。
この記事は英検準1級の受験に向けてどの英単語帳が良いか調べている方々に向けて書いています。
英検準1級の英単語帳の中にはここ数年で改訂されたものが多くあります。
特に有名なのは「でる順パス単」で、4訂版から5訂版への改定で簡単になりすぎて劣化したのでは・・・との声もかなり多く耳にします。
※違う級の話ですが、英検1級のパス単は語彙問題での的中率が大幅に低下したことを以前の記事で紹介しました。
本記事では7冊の英単語帳を比較し、2023年度の第1回~第3回の語彙問題を解くにあたり、どの英単語帳が最も得点に直結するのかを検証致します。
語彙問題を解くための最重要指標を「正解選択肢的中数」として、2023年度試験での正解選択肢の的中数を各参考書で比較しました。
もっと古い試験を分析対象としないのは、一部の英単語帳の発売以前の試験になるため、的中率が高くても、「過去問を参考にしてるから当たり前じゃん」の結論になる可能性があるからです。
比較するのは以下の7冊です
①英検準1級 でる順パス単(以下、パス単) 4訂版
②英検準1級 でる順パス単 5訂版
③出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX(以下、単熟語EX) 第2版
④英検準1級 トク単(以下、トク単)
⑤英検準1級 文で覚える単熟語(以下、文単)
⑥改訂版 究極の英単語Vol. 3 上級の3000語(以下、究極Vol.3)
⑦DUO 3.0(以下、DUO)
この7冊の選定根拠ですが、まず、英検準1級に特化した5冊をチョイス(パス単は改定前後の違いが気になる方が多いと思うので4訂版と5訂版の両方)
そして、一般英単語帳枠として究極Vol.3とみんな大好きDUOの7冊としました。
究極Vol.3はアルクが作成した日本人学習者向けの覚えるべき12000個の英単語のリストである新SVL12000の6001~9000が収録されたものですが、英検準1級のレベルに適切と考えられるので採用しました。
DUO3.0は、他の6冊を調査している際に「DUO3.0の方が的中率がマシではないか?」と思えてしまう単語帳があったため、比較用として分析しました。
※調べた結果、流石にそんなことはなかったですが・・・
先に結論から申し上げましょう。
単熟語EXがぶっちぎりなので、語彙問題で点が取りたい人はこれを使いましょう。
結論だけ知りたかった方はブラウザを閉じてください。
詳細を知りたい人は次に進んで下さい。
※最強の2冊目決定戦もあります
英検準1級語彙問題的中率ランキング
各参考書の正解選択肢の的中数を、2023年度の試験回ごとにまとめたものを以下に示します。
集計する際には、試験に出た英単語の意味が容易に推定できる派生語が「見出し語」として掲載されていれば「的中」と見なしました。
例えば、動詞「emit」が出題されている場合、名詞の「emission」が掲載されていれば「的中」としています。
全ての回で、一番の的中率を誇るのは単熟語EVなので、誰がどう見てもこれが「結論」です。
念のため、3回の試験での平均的中数をグラフ化しました。
この平均的中数でランク付けをすると以下のようになります。
1位:単熟語EX(17/25)
2位(同着):パス単4訂版&究極Vol.3(11.7/25)
4位:トク単(9.0/25)
5位:文単(8.7/25)
6位:パス単5訂版(8.3/25)
7位:DUO3.0(6.0/25)
他の単語帳の1.5倍ぐらいの的中率の単熟語EXが単独でとびぬけていますね。
結論、単熟語EXがダントツ1位です。
細かい話にはなりますが、究極Vol.3は「英単語帳」のため、4/25出題される「英熟語」は網羅できていなくて当然ですよね。
そんなわけで、上のランキングは究極Vol.3に不利なので、4/25の英熟語を除いた英単語パート21問の的中率を比較しました。
1位:単熟語EX(15.3/21)
2位:究極Vol.3(11.3/21)
3位:パス単4訂版(10.7/21)
4位(同着):トク単&文単(8.3/21)
6位:パス単5訂版(7.0/21)
7位:DUO3.0(6.0/21)
英単語のみの的中率では多少順位が入れ替わり、究極Vol.3が2位になりますね。
王者は決まったので、2冊目適性ランキング
さて、的中率を重視する場合は単熟語EXをこなした方が良いことは明確です。
しかしながら、それでも的中数は平均で17/25ぐらい、もうちょっと上を目指したいスコアだと思います。
そこで、「2冊目適性」を比較しました。
集計方法としては、「2023年試験に出題された、単熟語EXでは正解できない問題をどれだけカバーできていたか」で決めました。
(例えば、試験の正解選択肢に「dog」が出たとして、単熟語EXに「dog」が収録されていないときに、他の参考書に「dog」が収録されていたら+1点)
単熟語EXと被る単語が多いとこの数値は低くなるでしょうから、「単熟語EXとの被りの少なさ&英検準1級に出題される単語の網羅度」の指標になると考えます。
この指標の3回の試験での平均値を以下のグラフにまとめました。
1位:究極Vol.3(2.3)
2位:文単(1.3)
3位(同着):パス単5訂版&文単(1.0)
4位(同着):パス単4訂版(0.7)
6位:DUO3.0(0.3)
「単熟語EXを完璧に覚えた前提で、2冊目にどの参考書を完璧に覚えると何問追加で解けるようになったか?」という指標です。
単熟語EX+究極Vol.3をこなすと、17(単熟語EXでカバーできる分)+2.3(究極Vol.3でカバーできる分)=19.3の素点が期待できます。
わからない問題は消去法による運任せ(運ゲー)になってしまうでしょうが、このレベルになれば20/25を目指せるレベルと言っても差し支えないかと思います。
そんなわけで、語彙問題を確実に得点源にしたい方は、余裕があれば究極Vol.3までを完璧にすると他の受験生に対して差をつけられると思います。
これ以上の得点率を目指すにはどうすればよいのか・・・も検討しましたが、単熟語EXでも究極Vol.3でも対応できない難単語に手をつけようとすると、英検1級の範囲に片足を突っ込むことになります。
具体的には、究極の英単語Vol.4に掲載されているような英検1級レベルの難単語です。
3回分の試験を分析すると、単熟語EXと究極Vol.3でカバーできない英単語が17単語、その中で究極の英単語Vol.3でもカバーできない10語のうち、半分の5語は究極Vol.4に掲載されています。
単純に、究極Vol.4を完璧にすると各回の得点期待値が大よそ2ほど上がります。
※蛇足ですが、究極Vol.4でもカバーできていない5語のうち、3語は究極Vol.2、1語は究極Vol.1、最後の1語はSVL12000の範囲外でした。
超個人的な意見としては、英検1級では無く英検準1級の受験において、それ以上英単語だけを極めたい人はどれぐらいいるのだろうか?という気がしますが・・・。
英検1級の方が対策しやすいのでは?と思える鬼門の英熟語
データをまとめた際に、正直に申し上げて驚いたのが英熟語パートです。
毎回4問は英熟語が出題されますが、この4問は英単語パートと比較して、極端に的中率が下がります。
各参考書の正解選択肢の的中数を、2023年度の試験回ごとにまとめたものを以下に示します。
王者である単熟語EXをもってしても、良くて2/4的中、悪い回では1/4的中です。
ちなみにですが、英熟語問題の的中数は英検1級の方が(なぜか)圧倒的に高い傾向にあります。
以下に示すのが同様のグラフの英検1級バージョンです。
英検1級では単熟語EX第2版をこなせば2023年度の試験でいずれも4/4を取ることが可能にも関わらず、英検準1級の英熟語が異常に的中率が低いですね。
理由は不明ですが、英検準1級の熟語パートが対策しにくいパートであることは間違いないでしょう。
個人的には、現状のチャンピオンである単熟語EXをしっかりやりこむことをオススメします。
そうすれば、最低でも1問は確保でき、あとは消去法でよっぽど運が悪くなければ2問は確保できるかと。
パス単は5訂版への改訂で劣化したのか?
せっかくデータをまとめたので英検準1級界隈で話題の「パス単劣化説」にも触れましょう。
3回分の試験での的中数の平均値を改訂前後で比較しました。
結論、正解選択肢の的中率が3.4低下しています。
改訂後で勉強した人は改定前で勉強した人よりも、素点で3点ぐらい損してしまうのは、1点の素点差で合否が分かれることもざらな英検においては・・・言わなくてもわかるでしょう。
なにより、改定後のパス単は的中数で単熟語EXの半分ほどなので、語彙問題の対策に使いたい方は単熟語EXを使うと良いでしょう。
単熟語EXはアプリで勉強するのがオススメ
アプリ「abceed」に対応していますので、アプリを使って学習することをオススメします。
わかりやすく言えば、「電子単語帳」の機能があります。
紙に手書や、エクセルに手打ちでAnkiデッキを作るよりもらくちんです。
「abceed」を使ったことが無い方は当ブログの過去記事もご参考にどうぞ。
英単語帳機能の使い方の記事はこちら
サブスクではなく単熟語EXをアプリ上で購入する方法はこちら
まとめ
英検準1級の結論英単語帳は圧倒的に「出る順で最短合格!英検準1級単熟語EX(以下、単熟語EX) 第2版」が優秀です。
2冊目には「改訂版 究極の英単語Vol. 3 上級の3000語」をやると、20/25以上の得点が期待できるようになります。
こちらの記事が英検準1級の勉強をがんばるみなさんの参考になれば幸いです。
「こんな検証もしてほしい」といったご要望があればお問合せフォームからどうぞ。